旬の魚 春

4月に入り、急に暖かくなってきました

あんまり急に春になったものですから、個人的には暑さすら感じています

 

季節が変わると気になることの一つに、旬の食材があります。

となると植物が芽吹き出し、様々な種類が楽しめる他、魚介類も様々に楽しめます。
今回は、代表的な春が旬の魚についていくつか紹介させていただきます。

 

 

・タイ
春と言ったら、まず鯛がその綺麗な桜色から思いつくことでしょう。

この時期は特に「桜鯛」と言われます。

 

産卵をひかえて脂がのり、かつ身は引き締まっているので、

見た目以上の旨みと甘みを感じられます。

刺身としていただけばもちろん美味ですが、

鯛茶漬けや鯛しゃぶなどでその甘みを存分に活かしたり、

鯛飯にして縁起よくいただくのも良いかと思います。

 

同じく春が旬の菜の花と合わせても、

そのほろ苦さがいいアクセントになって鯛を引き立てます。

 

余談ですが、自分は小さい時、「鯛の尾頭付き」「御頭付き」

誤解していました。

 

 

 

・サワラ
漢字で「鰆」なだけあって、これも代表的な春の魚です。

関東~東北の方では、脂乗りのよい秋~冬も旬で、

こちらは「寒鰆」と呼ばれ親しまれています。


サゴシ→ナギ→サワラと体長によって名前が変わっていく出世魚の一つでもあります。


淡白で身も柔らかいため、様々な味付けやスタイルで調理されます。

西京漬け照焼きなどがメジャーですが、

イタリアンエスニック料理でも出てきます。


また、刺身としても食されます。

その食感はなめらかで、白身魚というよりはマグロなどの赤身に近い印象です。

 


一般的に魚は、頭部に近いほうが身がつまって美味しいのですが、

サワラは、尾に近いほうが美味とされています。

 

 

 

・サヨリ
最後に、春が近づくと見かけ出すサヨリを紹介します。
下あごが鋭く伸びて前面に突き出した細長くシャープな形をしています。


大きい個体のものは、「閂(かんぬき)」と呼ばれ

特に高級なものとして割烹などで取り扱われます。

お店で書いてあったら是非頂きましょう。

 


食用としては、寿司ネタや刺身の他、天ぷらとして春の旬の野菜と共に出てるくことがよくあります。

旨みが強く、白身魚よりは光り物(青魚)に近い印象です。

 

外見は銀色で細長い姿ですが、腹の内側は黒い膜で覆われていることから、

「腹黒い人の代名詞」

とされており、

「サヨリ女」などの用例があるそうです。

 

他にも魚類以外では、
その色と香ばしさから春を感じさせる「桜海老」や、
春の七草と合わせて存分に旨みを感じられる「アサリ」
などがあり、

それぞれかき揚げ・椀物が特に美味しいと思います。

 

ほくほくとして脂乗りがすごかった冬が旬の魚から、

少し爽やかで香しい春が旬の魚へ、

季節とともに楽しみを移していければとても幸せです。

 

 

ちなみに、

魚の旬は全国どこでも同じ時期になるかというと、

当然違います

 

魚の旬は、

脂の乗り産卵時期によって考慮されるため、

主に水温によって左右されます


サバを例にすると、

基本的には秋が旬とされますが、

大阪湾以東では夏寄り

大阪湾以西では冬寄り

に旬がずれます。

脂乗りの良くなる低い水温に達する時期が、地域によって異なるためです。