牡丹肉

本日は猪肉(牡丹肉)についてお話させていただきます。

猪肉は、山や最近では農村や民家にも出現している野生のイノシシを猟銃や罠などを使って捕獲し、食肉用としたものです。肉質はイメージ通り豚肉に近いですが、平均的に豚肉よりもタンパク質が多く脂肪が少ない傾向にあります。
野生動物であるため、家畜と違って個体差があり、また雌よりも雄のほうが肉が軟らかいそうです。また、捕獲時期や、射殺・屠殺後の血抜き作業、保管温度などによっても肉質が変わるので、豚や鶏などと違って、食べる時期によって印象が変わるのもこのようなジビエならではの楽しみの一つと言えます。冬季(猟期)の猪肉は水分含有量と脂肪量が多く、日本人好みの肉質となっているので、需要と価格が高く、猟師にとっては絶好の稼ぎ時です。
冬になったら食べたくなる牡丹鍋にも、そのような脂の乗った猪肉が適しており、冬は猪肉の旬と言って差し支えなさそうです。
また海外でも、フランスや北欧ではシチューや赤ワイン煮込みなどに用いられている他、香草と併せて豪快なジビエ料理としてメインディッシュを飾ることもあります。

近年、害獣の積極的な駆除と自然に対する敬意を両立するとして、日本でもジビエ料理が広まってきています。農村部では、害獣による農作物被害や村民の危険などが懸念から駆除が進む一方で、同じ捕獲個体を別個体として報告し、謝礼を重複受取するという不正行為も出ているそうです。ジビエの普及から、害獣駆除に関する問題をより社会的にしようという名目で、今年の冬は猪肉を味わってみてはいかがでしょうか。