外来種

「外来種」というと皆さんどんな種を思い浮かべるでしょうか。魚に限った話をするならば、ブラックバスやブルーギルなどが真っ先に出てくるかと思われます。自分もそのくらいの認識でしたが、少し調べてみると、日本の河川ならばどこにでもいる「コイ」も外来種の一種とされています。今回はそんな外来種やコイについて書かせていただきます。

まず「外来種」という言葉ですが、これには「国外外来種」と「国内外来種」があります。
「国外外来種」は、一般的に「外来種」として知られているもので、名前の通り国外から人為的に日本国内の河川に放流されたり逃げ出したものになります。前述したブラックバスやブルーギルなどが該当します。
一方で「国内外来種」は、国内のある地点に「本来」いないはずの種を人為的に放流などして広まってしまった外来種です。例えば四国にしか生息していなかった種が、関東に持って行かれて自然環境に入り、新しく広まっていった場合などがこの「国内外来種」になります。もともと自然界には国内外なんてものはないわけですから、もともといなかった種が入ってこれば、それは「外来種」というわけです。コイ以外にも様々な魚や他の動植物種でも該当します。こちらの「国内外来種」については、あまりメディアなどでは取り上げられず、生命倫理や環境倫理の観点から大変懸念されています。

そんな「国内外来種」の一つにされたコイなのですが、この原因が河川へのコイの放流イベントです。人間から見て「より魚が住んでいる環境」が実現するために、その指標として「コイが住める環境」を掲げる考えが多く蔓延していることに起因します。しかし、コイは水質が悪い環境でも耐え抜くことが出来、そのような指標としては機能しません。また、ご存知の通りコイは食べるときに口を大きく開けて丸呑みします。これによって、小魚や水面に落ちた虫の他、在来種の卵なども関係なく食べてしまうので、在来種の生態系への影響がとても大きいです。この観点からすれば、ブラックバスなんかよりよっぽど多様性への影響は大きいですね。