生八つ橋を焼いたものが八つ橋なのか?

 

生八つ橋

 

というと、

漬物ちりめん山椒などとともに京都の代表的な土産物です。

 

修学旅行や帰省する折に、これらを買って帰ったことは皆さんもおありかと思います。

京都の人なら、どこか他県を訪ねる時に持参すると喜ばれたりしますね。

 

うちの親は、京都に遊ぶに来るときに、

京都駅で生八つ橋を買ってきて、

京都の我が家に持ってくる

ということが、たまにありました。

 

聞いた話だと、京都生まれの人は、そこまで生八つ橋や八つ橋を食べないそうです。

あくまで「土産物」なのか、と世界的観光都市に改めて慄きました。

 

 

今回は

そんな生八つ橋と、

こちらも根強い人気を持つ八つ橋についてお話させていただきます。

 

 

 

まず

八つ橋(焼いてあるやつ)の起源

からお話ししますが、

これは、17世紀後半、江戸中期に遡ります。

 

元禄2年に、聖護院のとある茶店にて売り出されたのが始まりとされています。

 


名前の由来は諸説あり、代表的なものとしては、


箏曲の祖とされる「八橋検校」を偲んで作られたことから

 「箏」の形を模した

という説

 

伊勢物語「かきつばた」の舞台となった

 「三河国八橋」にちなんでつけられた

という説


の2つがあります。


個人的には、前者の方が土地的にも有力かと思います。


一方後者については、

八つ橋最古店とされる「本家西尾八ッ橋」が、

毎年愛知県知立市のかきつばたまつりに際して限定商品を用意しており、縁深い場所としています。

 

どっちが起源か気になりますが、この際どっちも起源でもいいと思います

 

 

次に生八つ橋についてですが、

 

生八つ橋の方は比較的最近で、戦後1960年代から販売され始めました。

 

それまでも神社などで生菓子とて出されていたそうですが、

正式に販売され始めたのは、

64年の東京オリンピックに向けた景気上昇に伴うと考えられます。

その当時に起きた保存技術などの発展に伴い、持ち帰って数日は出来立てのようにおいしく食べられることから、商品として成立し、今のように人気となったと考えられます。

 

昔は竹皮に包んで売られていましたが、

現在はより長期保存(開けなければ10日前後)を可能にするために真空パック詰めされています。

 

 

 

 

本題の生八つ橋を焼いたものが八つ橋なのか、についてですが、


八つ橋・生八つ橋共に原料は同じで、主に

上新粉・砂糖・ニッキ粉末

です。

 

この二つの違いとしては、本当に

焼いたか・焼いていないか

ぐらい(生八つ橋の商品によっては、中にあんを入れている場合あり)なのだそうです。

 

上記の粉末を混ぜてこねて蒸す、まで同じで、

その後焼いたら八つ橋

焼かなければ生八つ橋

ということになります。

 

このため、八つ橋を「焼き八つ橋」とよぶこともあります。

今では生八つ橋の方が「八つ橋」のイメージが強いですしね。

 

 

 
また、生八つ橋については

生地中に入れるあんバリエーションの豊富さ

も人気の一つです。

 

抹茶ニッキといったベーシックなものから、

さくらゆずなどの季節に合わせたもの、

チョコなどより現代的な味わいのもの

などさまざまな種類があります。

 

また、生地のやわらかさを利用して、

饅頭形にした西尾の「おまん」や、

立体的に造形した商品を展開するブランド「nikiniki」なども人気です。

 

 

八つ橋の売り上げは、京都土産の約半分とも言われています。


また、生八つ橋と八つ橋では、売り上げの差は5:4ほどで、

中高年の方には硬い食感の八つ橋人気が高いそうです。

 

八つ橋のメーカー

(聖護院八ッ橋総本店・本家西尾八ッ橋・おたべ・井筒八ッ橋本舗など)

によっても、生地やあんに違いがあるそうです。

 

一度食べ比べをしてみてもおもしろそうだと思いました