経年劣化というのはどんなものでも避けられないものですが、
特にぬいぐるみでは顕著に感じられます。
日射による色褪せや持ち主の手垢、
綿がへたってしまったり、糸がほつれてしまったり
などなど...
傷んでいく要因はたくさんあります。
また特に可愛がられているものほど、その損傷は激しくなっていくことでしょう。
洗濯したり綿を入れ替えたりして、なんとか損傷を食い止めようとしても、なかなか素人では限界があります。
そんな現実をなんとかしようと、大阪の豊中市にて、
2014年8月に「ぬいぐるみの病院」が設立されました。
今回は、そんなぬいぐるみ病院についてお話しさせていただきます。
この病院は正式名称は
「ぬいぐるみ健康法人 もふもふ会 ぬいぐるみ病院」
です。
もともとぬいぐるみや雑貨の製造・販売を行っていた株式会社「こころ」が、購入者の要望を聞き入れて実現したのだそうです。
この「病院」では、
預けられたぬいぐるみを「患者」、
綿入れや生地の交換を「手術」といいます。
また、担当する医師や看護師もぬいぐるみ
といった徹底ぶりや、
利用者(「ご家族」と呼ばれています)の様々なニーズへの対応から、
今や入院まで1年待ちといいた盛況ぶりを見せています。
患者が入院すると、
家で待つご家族のもとへと随時患者の状況が写真付きで連絡されます。
内科医である「いのの先生」による診察の様子や、他の患者さんらとともに看護師に寝かしつけられる様子など、不安を抱えて待っているご家族を和ませる配慮が感じられます。
ご家族の要望にも細かく応えます。
・綿入れに際しては、綿の量による硬さ具合を調節し、
・生地の交換に際しては、好みの生地や色を使ったり、もとある生地を最大限残したりし、
・表面の掃除(「お風呂」または「エステサロン」と呼ばれています)のときは、購入時のようなきれいな状態から、長年一緒にいたような少し褪せたかんじまで調節します。
入院費用は約1万円といったところですが、
患者のサイズや状態の良し悪し、手術の内容などによって上下します。
長年一緒に連れ添ってきた大切なぬいぐるみなら、そのくらいの出費は惜しまないことでしょう。
また、ご家族である利用者には、
子どもやその親が多いと思いきや、
夫婦や30代のOL、サラリーマンなどもいてそれ誰もが、
「長年一緒にいて棄てたくないが、自分では施しようがない」
ということでこの病院を頼るそうです。
本当の家族のように大切にしている人が多く、まさに駆け込み寺となっています。
自分の家にも、かなり前からあるぬいぐるみがあり、もうかなりくたくたになっているので、
空き状況などが良ければ、一度頼んでみようかなと思いました。